国語の勉強の仕方について
こんにちは。
学習塾マナビエ/青木です。
生徒たちからよく聞く質問の1つに
「国語ってどうやって勉強したらいいですか?」
というものがあります。
今回は「国語(現代文)の勉強法について」お話しさせていただきます。
まずは学校の国語教育の問題点から。
学校教育における国語、とりわけ小学校では「情操教育」「道徳教育」を兼ねた科目として授業運営されているため、純粋な「国語力」を鍛えるという意味では遠回りをしていて、子どもの趣味・嗜好・関心等を今後の学習指導に生かすための情報収集手段として、国語という教科を通じて「合法的思想調査」をするために、敢えてそうしているのではないかとすら思えます。
たとえば
「食べたくなければ、食べなくてもよい」
という一文を
「文法的に解説して」
と外国人の英語学習者に問われて即答できる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
「食べる」が動詞の原形で、まずこれを覚え、下一段活用で用言に連なるため、連用形の活用形をとり、次にある「たく」は「たい」が元の形で「い形容詞」と同じ活用をし、次にある「ない」に連なるので…
どうでしょうか?
もう嫌になってきていませんか??
(参考)
中高生が英語の授業でやっている文法の授業は、これと同質のもので、受講者・生徒が集中して取り組む環境を用意するという点で講師側の力量が非常に重要なことは明らかです。
なぜ、英語では文法の授業が毎週あるのに、国語ではこれを実施せず情操教育をしているのでしょうか?
「話せるんだから、文法なんてやらなくてもいいじゃん」
と、軽視しているからだと、私は思っています。
ここで、私たちは、学習指導要領、学校教育現場での授業運用を通じて、子どもたちに矛盾したメッセージを送っていることに気づかなければなりません。
少なくとも、英語⇔国語の2科目間では。
英語の授業では週あたり数時間「文法」を学びます。
一方、国語の授業では「文法」の授業は不定期かつ時間も極小…
「なぜ、英語は文法の授業をたくさんやるのに(それでいてしゃべれるようにならないのに)、国語は文法の授業をあまりやらないの?」
と質問されたときに
「話せれば文法なんて必要ないんだよ」
と回答すると(回答しないにしてもそのように感じ取られると)
「じゃあ英語の授業の時間って(文法やっても話せるようにならないのだから)半分くらいは無駄な時間なんだね」
というメッセージが伝わってしまいます。
生徒たちのモチベーションを損なわないために、大人は、少なくとも教育関係者は、こうした「矛盾」にもっと意識的でいなければなりません。
平均的な日本人は、英語の文法はある程度説明できるのに、日本語の文法構造はほとんど理解していない…というのは、学校現場の国語教育の運用に大きな原因があるのではないでしょうか。
閑話休題。
正攻法で「国語力」を高めるトレーニングを一つご紹介します。
・問題文をセンテンスごと分割
・それぞれ分割した切れ端を、「主張の方向」という観点から、2グループに分割
・それぞれのグループ内の切れ端を①「因果」、②「例示」、③「換言」などに小分類
・小分類した白紙に貼付け
中学生であれば、ここまでで十分。
これを集団(学校の授業)で実施し、個別の解説・補足(塾・学校の先生のサポートでも可)をしてあげることで、高校入試程度の評論文程度は、大抵の日本人が「読解」できるようになるはずです。
早慶・旧帝大レベルの論説文の場合、筆者の「主張の方針」が、2つに分けにくいものがあり、これらを第3のグループとし、先ほどの2つのグループとどのように関連づけられるか…という論理の探り方をすることで全体の論旨がつかめるようにできているものもあります。
これを対面の授業ではなく、「参考書を読みながら独学で取り組め」と言われたら、学校のテスト程度のものであれば常に満点、という生徒以外は途中でくじけてしまうでしょう。
ですので、
①中学校の教科書程度のものが大意把握できるようになればよい
②公立高校入試の読解問題で「おおよそ」解答できるようになればよい
③公立高校入試の読解問題で完答できるようになればよい
④私立高校入試の読解問題で「おおよそ」解答できるようになればよい
⑤私立高校入試の読解問題で完答できるようになればよい
⑥中堅大学入試の読解問題で「合格」できるようになればよい
⑦難関大学入試の読解問題で「合格」できるようになればよい
⑧どんな読解問題でも完答できるようにしたい
のようなステップバイステップの目標設定を最初にしていただき、これに応じて「やるべきこと」を提示、サポートさせていただきます。
「国語ってどうやって勉強したらいいですか?」とご質問いただく際に
・目標は何か?
・国語にどの程度力を入れたいか(時間を掛けられるか)?
などを事前に整理しておいていただけると、より適切な回答をさせていただけるかと思います。
個人的な話をさせていただくと、高校生時代、小林秀雄の『考えるヒント』を通じた「知的冒険」により、読解力は格段に上がりました。
(高校生の私には難しすぎて、最初は苦痛以外の何者でもなかったですが)
最近になって質の高い国語教材(以前はほとんどなかった)が作られるようになってきましたが、独学で取り組む場合にお勧めなのが
です。
※中学生にとっては難易度高めなので、公立高校入試で「おおよそ」解答できるようになれば十分、という方にはお勧めしません(その分、他の科目の勉強に時間を割いていただいた方が好結果につながります)
「赤本」などは解説があまりに不親切で、予備校の解答・解説も「これは満点解答とは言えないのでは?」というものが散見されますが、こちらの教材は明確な根拠を提示してくれています。
「あれ、東大っていっても、そんなに難しくないよね??」
と、自信をつけることにもつながります。
ただ、一般受験で大学入試を考えている高校生は、これを読んでみて理解が追い付かないようでしたら、読解力においては危機感を持つべきで、現代文の授業の受講をお勧めいたします。
ほかにも「現代文の正しい読み方・勉強法」を簡単にご紹介させていただくと
・自分の言葉で定義できない単語はすべて辞書を引く
・主語-述語をすべて明らかにする
・すべての語の品詞を意識する
・読み飛ばさない
・解答の際、必ず根拠を本文中に求める
・接続表現の前後関係を整理して読む
・テーマごとに論旨を整理する
・記述問題は解答の中心を整理⇒要素を追加
・語彙を増やすための読書をする
・読解力を養うための読書をする
鷲田清一、外山滋比古、夏目漱石、三島由紀夫等
などになりますが、
「そこまでの時間がない!」
という方がほとんどなのだと思います。
その場合は、入試・テストで点数を取るための「最低限の読解力」と「テクニック」を身に付けていくことになりますが、前述したように目標によって「やるべきこと」が変わってくる点、ご留意ください。
以上、大まかにですが、国語(現代文)の勉強法についてのお話しでした。
長文お読みいただきありがとうございました。
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