お子さまの学習に役立つ情報配信 2023.05⑥
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「Chat GPT とこれからの英語学習」
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こんにちは。
学習塾マナビエの松田です。
光村図書の中学生英語教科書「Here we go 3」の Unit 4 に“AI Technology and Language ” (AI と言語)という章があります。
その中に
“In the near future, AI will help us communicate with people all over the world quite easily.”
(近い将来、AI は私たちが世界中の人々とコミュニケーションを取る助けとなるだろう)
とあります。
この章の中に、中学生の Kota, Hajin, Tina の3人が AI 技術を使った「翻訳ソフト」について それぞれの意見を述べる場面があります。
昨年、ある中学校の 3 年生の英語の授業で、「『翻訳ソフト』を使ったコミュニケーションについてあなたはどう思いますか?」というテーマで 自分の考えを英語で書く、という作文の宿題が出されたそうです。
それから、わずか半年後の今、“Chat GPT” という「対話型 AI」が話題になっています。 先日、この Chat GPT を開発した会社の CEO が来日、岸田総理と対談したことでも話題を呼びました。
早速私も Chat GPT を使ってみました。
応答の速さ、提供される情報量の多さ、何より、どんなことを訪ねても答えてくれるので、話題沸騰になるのも納得です。
しかしながら、質問の尋ね方にもよるのでしょうが、「ちょっとその答えは違うかも…」という返答も返ってきますので、正しく使用するには十分な注意が必要だと思いました。
さて、先ほど書きました「『翻訳ソフト』を使ったコミュニケーションについてあなたはどう思いますか?」という質問について、昨年ある高校生の女の子から聞いた話があります。
高校 3 年生の A さんが、ドラッグストアでアルバイトをしていました。外国人のお客さんが入って来られ、「“スクラブ”はありますか?」と 片言の日本語で尋ねられました。
そのお客さんは、日本語が話せず、翻訳ソフトを使っていたそうです。A さんは、「スクラブって 毛穴の汚れを取る粒が入った洗顔料のことかな?」と思い、洗顔料のコーナーにお客様を案内しました。
すると、“No, no!” と言われ、二人で店の中をぐるぐる廻って探したのだそうです。
すると、お客様が「これよ!」と笑顔で指さす方を見ると、台所用の「スポンジ」があった、ということです。
色々調べてみた所、このお客さんが探していたのは おそらく “scourer” で、scourer”とは食器用スポンジの固い方(濃い緑色や濃い茶色の部分)を表す単語とのことでした。
食器用スポンジ自身は、”dish sponge “で良いようですが、この方は裏に固い部分が付いたスポンジ、すなわち“scourer”を探していて、翻訳ソフトがそれを”スクラブ“と日本語に訳していたようなのです。
この話を聞いて、「翻訳ソフト」も「Chat GPT 」も大変便利なツールではあるのですが、やはり人と人とのコミュニケーションにおいてはどうしても限界があり、これらのツールだけではコミュニケーションが上手くいかない場合もあるのではないかと思いました。
A さんのドラッグストアの件でも、A さんがお客さんとお店を一周して探したから良かったのですが、もしそうしなかったなら お客さんの求めていたものは分からないままだったでしょう。
私自身もアメリカにホームステイに行った際に、ホストファミリーのお手伝いをしようとして、「水道の蛇口」「食器洗い用洗剤」という単語が分からなくて困ったことを思い出しました。生活に密着した単語ほど、意外と学校では教えてくれないのです。
(「水道の蛇口」は water faucet 「食器洗い用洗剤」は dishwashing detergent と言います)
中三の教科書「Here we go 3」の中で Hajin はこう言っています。
“Translation devices are convenient, but I think learning foreign languages is still important. I want to be able to communicate by myself.“
(Here we go 3 54 ページ/Unit4Part 2 )
(翻訳のツールは便利だけど、でも僕はそれでも外国語を学ぶことは大事だと思う。僕は自分自身でコミュニケーションが取れるようになりたいんだ。)
私も同感です。皆さんはどう思われますか?
これからますます AI の開発は進んでいくでしょう。
今中学生、高校生のお子様たちが社会に出るころ、いったいどのような社会になっているのでしょうか。
このような予測のつかない時代だからこそ、「ロボットには出来ないこと」、場面に応じた適切な状況判断ができ、その場にきめ細かく対応して行く力が求められるのではないでしょうか。
マナビエでは、お一人お一人の個性を伸ばし、AI 時代を生き抜くための真の学力を身に着けるお手伝いをしたいと願っています。
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